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第2話『いつもの学園、そうじゃない1人』【魔法に失敗して10歳若返りました☆】

第1話『還りの魔法』【魔法に失敗して10歳若返りました☆】目次はこちら 第1話『還りの魔法』 私の昔からの友達、リリィ。 この子は拾い猫で私が5歳のころ拾ってきた。 ...

第2話『いつもの学園、そうじゃない1人』

これまでにも魔法で失敗したことはあった。

失敗はするけれど、魔法の研究は子供ころからずっと好きで、今もなお続けている。

今までも失敗で手だけがドラゴン化したり、顔が2倍に膨れ上がったり、影が薄くなって誰にも気づかれなかったりと、手と足の指の数だけでは到底納まらない数ほど失敗を繰り返している。

いつも、ある人の手助けで何とか元の体に戻っているから、今回も大丈夫だろうと期待を寄せながらいつも通りに学園に向かう。

外では、片手に魔法の専門書を持ちながら読み歩くのが日課で、前方に注意が寄らず、ちょくちょく木や壁などに頭をぶつけてしまうのも日常茶判事…

ゴツン!

…学園への登校中も例外ではない。

小さくなって普段着ていた制服がサイズが合わなかったため、応急処置としてクリップやら南京錠やらで裾を短くしていた。

すごく動く歩きにくい。

ズコー!

今日はなんと、石につまずいて転ぶのおまけ付き。

***

いつもの学園にたどり着く。

いつもの教室の前に行き中に入る。

ホームルームまでは少しだけ時間がある。

教室の中の同級生たちは普通に友達と会話をしたり、杖でチャンバラごっこをしながら遊んでふざけたりしている。

入学当初こそ、魔法の失敗によって変化した私の体に一喜一憂していたが、今となっては誰も驚くこともなくなった。

ある1人を除いてはね…

私は自分の席に座り、本の続きを読む。

すると同級生の1人が声をかけてきた。

「おっはよーアルスちゃん、小さくなってて最初気付かなかったなー、またなんか失敗したのかなー?」

ここで私に好意を持った人たちを紹介しよう。

皆からよく変わっていると言わている私の友達の一人。

名前はロレッタで、同じクラスの女の子。

赤毛のセミロングでぱっちりとした目が特徴で、風と大地を操る魔法を得意としている。

「「また魔法で失敗したの―?」」

セリフを協和させてやってきたのは隣のクラスの男女双子、リオとリナ。

この子たちも私の友達である。

二人とも茶髪のショートボブで見かけは同じで見分けがつかないと思われるが、もみあげの片方の長さが見分ける唯一の方法だ。

右が長い方がリオ、左が長い方がリナ。

リオは火を操る魔法、リナは氷を操る魔法を得意としているが、それは表向き。

本当は二人の力を合わせることで「瓜二つの操り人形」を作り出す能力を持っており、それを生業としている。

その操り人形が、私が材料集めで一週間休んでいる間、影武者をやってくれていたのである。

この能力を知っているのは私とロレッタとあともう一人。

「うおぉぉぉぉ」

遠くから誰かが叫ぶ声が聞こえる。

その声は次第にボリュームが上がり、こちらに近づいて来ている。

「うおおおおおおおおおぉぉぉおおおぉおおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉ」

その”もう一人”であり、私の彼氏でもある。その名はメルメル。
自分で言うのも変だが、私は根暗で口数も少ない。周りからは本の虫と言われているほどに本にしか興味がない。

そんな私に告白してきたのが彼だ。いわゆる変人なのだ。

そんな彼に興味を持ってしまい付き合うことにした私も変人である。

彼は私が失敗した魔法を解くために、独学で「解術」の勉強を始めており、失敗するたびのお世話になっている。

もともとは何が専門だったかは覚えていない。

彼とはクラスが離れているので、わざわざ走ってやってきたのだ。

キーーーッと足に急ブレーキをかけて私の机の前に立ち止まる。

「一体どうしたらこんになに小さくなるんだ!!アルス!!!」

「メルメルさん、お元気で何よりじゃ!」

「メルヴィルだ!毎回そんな可愛らしい言い方するのやめてくれ!一週間心配してたんだぞ!!」

改め名前はメルヴィル。

魔法で失敗するたびに心配して駆けつけてくれる。なお今の校内の人で唯一驚いてくれるのは彼だけだ。
なぜクラスが離れているのに気付けたのかは今もなお不明である。

ちなみに双子の変身を見破られるのも彼だけ。

そんな彼は読んでいる本を取り上げた。

私は頬を膨らませムーっとした表情をつくる。

「いいか、本好きで取り上げられてムーっとするのはわかるけど、ちゃんと人の話を聞け、俺がどれだけどーれだけ心配しているか分からないだろ!」

本を取り戻そうと椅子の上に立ち手を伸ばすが、それと同時に本を高く上げ、片手で頭を押さえつけられてしまって取り戻すことができない。

「返すのじゃ!」

手を前にパタパタさせるも、無駄な抵抗であった。

「ぷい」

いったん座り横を向いてまたムーっとする。

そんな私に対して、彼は顔を近づけて、もう一言。

「お前が失敗するたびに変な姿になって、それを戻すために俺がどれだけ苦労しているか分からないよね!!」

確かに、魔法解術は難しいとされている。まずはかかった魔法の理屈から理解し、その後、解く方法の文献を調べたり、見つからない場合は手探りしなければないからだ。

特に私が失敗した魔法を解くには手探りのものが多く、彼には苦労をかけさせている。

だが、これと本を取り上げられることとは別の問題。

「ありがとうございます!感謝してます!頼れるのはあなただけです!だから、さぁ返すのじゃ!」

「いや、感謝も反省もしてる様子には見えないね!」

今度は反対を向いてムーっする。

「まぁ、いつものことだしな!ホント無事でよかったー」

と言いながら本を私に返す。怒ると言動が乱暴になるが、優しい面もある。

「とりあえず、元に戻す方法を探してやるから、どんな魔法を使ったのかを教えてくれよな!後でいいから」

そんな私たちのやりとりを見て微笑んでいるロレッタと双子の二人が横にいた。

以上、こんな私に好意を持った人たちの紹介である。

全員がそろったとことで、改めて感じたことが一つだけあった。

それはみんなの背が高いということだ

今は私の身長が一番小さいが、小さくなる前は、双子の二人よりは高かった。

しばらくはこの光景を味合わないといけないと思うと少し気が重くなってきた。

そんなことを思っているとホームルームが始まる時間になったので、ここで私たちの朝の集会は解散した。

第3話『私の楽園』【魔法に失敗して10歳若返りました☆】目次はこちら https://kokutendo.com/i-failed-my-magic-and-turned-10-year...
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